YA新着図書の紹介【2026年1月~3月】
『逃げる田中』
石川 宏千花/作 光村図書出版

曽我くんは、街中でクラスメイトの田中さんが全力疾走で逃げている場面を何度も目撃します。追ってくるのはおじいさん、同級生、犬、黒ずくめの男、時には天候や気配なんてものも。
なぜ逃げているのか聞くと、その答えがちょっと斜め上なのです。
まず、おじいさんの場合、なぜ逃げていたかというと、「窓を割ったから」。どうして窓を割ったのか聞くと答えが「ご老人がエイリアンに襲われそうになっていたから」。
なにがそう見えたのか謎なのですが、人命救助をしようとしているので一応田中さんは悪い人ではないようです。いったいどういう人なのか疑問がわきます。
同級生の場合は、2回告白されてそのたびに断っているらしいのですが、3回目の告白をされそうだから。されるまえに逃げるのだそうで。
テンポよく進む話と田中さんの摩訶不思議な魅力に引っ張られてどんどん読んでしまいます。
この本を読みだすと、あなたもきっと、逃げていない田中さんに物足りなさを感じてしまうようになると思いますよ。
- 『かわせみのみちくさ』 瀧羽 麻子/作 偕成社
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『わたしのbe 書くたび、生まれる』 佐藤 いつ子/著 KADOKAWA
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『なんで人間にはしっぽがないの? 二度の喪失の物語』 東島 沙弥佳/著 新泉社
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『運命の時計 デ・ラ・メア ショートセレクション』 ウォルター・デ・ラ・メア/作 金原 瑞人/訳 理論社
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『聞こえない羽音』舟崎 泉美/作 小学館
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『真昼にも星が光ると知ったのは』 梨屋 アリエ/作 ポプラ社
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『一番わかりやすいブラックホールの本』 松下 安武/著 福江 純/監修 筑摩書房
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『ノアハム・ガーデンズの家』 ペネロピ・ライヴリー/著 斎藤 倫子/訳 ゴブリン書房
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『みんなでつくる「読書バリアフリー」 だれもが読める本のかたち』 成松 一郎/著 河出書房新社
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『君の火がゆらめいている』 落合 由佳/作 講談社
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『トビウオの声を聞いた日 ギリシャの海とエレナの秘密』 マイケル・モーパーゴ/作 佐藤 見果夢/訳 評論社
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『逃げる田中』 石川 宏千花/作 光村図書出版
