YAおすすめ今月の1冊【2024年4月】
『世界は「 」を秘めている』 櫻 いいよ/著 PHP研究所

つばさは十二歳の「かっこいい女子」。まわりからは大人っぽくてクールだと思われている。本人はそんな性格ではない気もしていたが、自分の好きなものが分からないのでイメージのままのシンプルで無難な服装を選んでいた。 春休みのある日、「かわいいもの」や「きれいなもの」が好きで身に着ける同級生の男子、凪良(なぎら)と出会い、「自分の本当に好きなもの」を探し始める。 中学生になるとスーという女の子の友達ができるが、凪良もスーも派手な服装などから心無いうわさをたてられる。つばさは本人たちを知っているからと、悪いうわさを全く気にしないが、「噂をする人たち」のことは気になり色々と考えることになる。 「悪いことをしているわけじゃないから、胸を張って堂々としていたらいい。認めさせてやればいい。受け入れてくれる人もいる。」 「なんでわざわざ胸を張って過ごさないと受け入れてもらえないんだろう。ぼくはただ、毎日楽しくすごしたいだけなのにね。」 個性や多様性を考えさせられる1冊です。 |